ウサギ目の大型化が他の草食哺乳類分類群によって抑制されてきたことを解明 -もっと大きなウサギがいないのはなぜ-

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 富谷进 霊長類研究所特定助教らの研究グループは、ウサギ目の化石種と現生種の体サイズを環境要因と対比しながら時間と空間を通して分析することで、ウサギ目の大型化が他の草食哺乳類分類群によって抑制されてきたことを明らかにしました。また、主な抑制者となる分類群が、気候変動に伴った草原の拡大などの、大規模な環境の変化と共に交代していたことも判明しました。

 ウサギのなかまは现在92种ほど知られていて、ウサギ目という分类群を形成します。南极以外の全ての大陆に分布し、草食哺乳类として世界の多くの地域の生态系で重要な役割を果たしています。しかし、その身近さとは対照的に、ウサギ目の多様性は种数、形态、生态など様々な面で意外なほどに限られています。例えば、现生种で最大の野生のウサギの平均体重は约5キロで、カピバラなど大型のげっ歯目(ネズミのなかま)や、ほとんどの偶蹄目(シカやウシのなかま)の体重には远く及びません。

 本研究成果は、生物多様性の形成过程において、生物间の相互作用の影响を重视する「赤の女王仮説」と、非生物的环境要因を重视する「宫廷道化师仮説」を统合した新たな知见を提供する発见となりました。

 本研究成果は、2021年3月12日に、国际学术誌「贰惫辞濒耻迟颈辞苍」のオンライン版に掲载されました。

本研究のイメージ図
図:本研究のイメージ図(イラスト: (used with permission))
研究者情报
研究者名
富谷进
书誌情报

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Susumu Tomiya, Lauren K. Miller (2021). Why aren't rabbits and hares larger?. Evolution, 75(4), 847-860.