野田进 工学研究科教授、井上卓也 同助教、森田遼平 同博士課程学生、メーナカ デ ゾイサ 同講師、石崎贤司 同特定准教授らの研究グループは、短パルス(数10ピコ秒以下)かつ高出力(数10~100ワット以上)で動作可能な新しいフォトニック結晶レーザーの開発に成功しました。
製造现场における无人化が进む中、加工条件を自动的かつ精密に最适化するスマート加工の実现のため、热の影响を受けない超精密加工が可能な短パルス?高ピーク出力レーザー光源の実现が求められています。また、车の自动运転に代表されるスマートモビリティ分野においては、アイセーフかつ高分解能な光测距(尝颈顿础搁)を実现するため、数10ピコ秒以下の极めて短いパルス幅をもつ高ピーク出力光源が必要とされています。さらに、バイオ分野においても、高分解イメージングを可能とするため、短パルス?高ピーク出力光源が必须とされています。特に、小型、安価、可搬、高制御性という特徴をもつ半导体レーザーで、このような短パルス?高ピーク出力动作を実现することは、システムの大幅な小型化?低コスト化を実现する上で极めて重要と言えます。
本研究グループは、高出力?高ビーム品质(=高辉度)を有し、极めて狭い拡がり角をもつビーム出射が可能な半导体レーザー:フォトニック结晶レーザーの开発を进めて来ましたが、今回、さらにデバイス内部に、利得领域と吸収领域を2次元的に分布させるという新しいコンセプトに基づき、数10ピコ秒以下という短パルスかつ、数10奥~100奥(将来的にはキロワット级も可能)という高ピーク出力动作が可能な新しいフォトニック结晶レーザーの开発に成功しました。
本研究成果は、スマート加工を可能とする微细加工や、高精度光センシング、バイオイメージングなどの幅広い応用にとって极めて重要な成果であり、今后の超スマート社会実现の键を担う光源として期待されます。
本研究成果は、2021年3月4日に、国際学術誌「Nature Photonics」のオンライン版に掲載されました。

【顿翱滨】
Morita, R., Inoue, T., De Zoysa, M. et al. Photonic-crystal lasers with two-dimensionally arranged gain and loss sections for high-peak-power short-pulse operation. Nat. Photonics (2021), 15, 311-318.
京都新聞(3月30日 25面)および日刊工業新聞(3月30日 25面)に掲載されました。