脳内での新しいタンパク質集積機構を解明 -記憶形成は水と油の関係から-

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 林康纪 医学研究科教授、细川智永 同特定研究員(現?名古屋大学講師)、劉品吾 同博士課程学生らの研究グループは、学習時の刺激により脳内のタンパク質が集合体を形成することを明らかにしました。

 私たち人类は知识や技术を记忆することで文明を筑き、大切な人の颜や出来事を记忆することで日常を过ごしています。记忆とは见たものや食べたものといった一时的な情报を脳内に保存する脳机能ですが、体外の分子が直接脳内に入ってきて保存されるわけではなく、脳内の分子が何らかの変化をすると考えられています。しかしそれがどのような変化かはわかっておらず、体内の分子は常に别の分子と入れ替わっているため、记忆を一生涯保つこともできるのは不思议でした。

 本研究によって、脳细胞の中は水で満たされていますが、この集合体はあたかも水に浮かぶ油のように细胞内の水から自発的に分离し集合していることがわかりました。こうして分子たち自身が自分の居场所を记忆することで分子の入れ替わりを可能にし、私たちは记忆を一生涯保つことができるのです。この新発见の机构を応用することで、アルツハイマー病などの治疗が可能になることが期待されます。

 本研究成果は、2021年4月30日に、国際学術誌「Nature Neuroscience」のオンライン版に掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
研究者情报
研究者名
林康纪
研究者名
细川智永
书誌情报

【顿翱滨】

Tomohisa Hosokawa, Pin-Wu Liu, Qixu Cai, Joana S. Ferreira, Florian Levet, Corey Butler, Jean-Baptiste Sibarita, Daniel Choquet, Laurent Groc, Eric Hosy, Mingjie Zhang, Yasunori Hayashi (2021). CaMKII activation persistently segregates postsynaptic proteins via liquid phase separation. Nature Neuroscience, 24, 777-785.