工藤洋 生态学研究センター教授は、川勝弥一 京都産業大学博士研究員、坂本智昭 同助教、木村成介 同教授、名古屋大学、東京大学、明治大学、宇都宮大学、龍谷大学、京都府立大学らと共同で、文献調査と遺伝子解析によって京の伝統野菜であるミブナの育種の歴史を解明しました。
ミズナとミブナの交配実験、および次世代シークエンス技术を用いた遗伝的解析から、ミズナとミブナの叶の形の违いには、BrTCP15という遗伝子が関わっていることが示されました。日本国内の古文书の记録から、ミブナの诞生にはカブ类との交雑が関わっていた可能性を见出しました。そこで、カブ类についても次世代シークエンス解析を行った结果、紫姫という品种のカブもミブナと同じBrTCP15を有していることが明らかになりました。これらの结果から、およそ200年前にミズナとカブが交雑したことが、ヘラ型の叶を持つミブナが诞生したきっかけであるとの结论に达しました。
叶の形态の多様性は、光合成効率を高めるためや、环境适応のためなどの理由で生じたと考えられていますが、一方で、栽培の効率化や食事をより豊かにするために、人為的に多様化が进められたことも知られています。国内の文献记録に注目することで、日本特有の品种や作物が诞生した过程やその遗伝的背景について、详细に理解できることが期待できます。
本研究成果は、2021年6月2日に、国際学術誌「Horticulture Research」に掲載されました。

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Yaichi Kawakatsu, Tomoaki Sakamoto, Hokuto Nakayama, Kaori Kaminoyama, Kaori Igarashi, Masaki Yasugi, Hiroshi Kudoh, Atsushi J. Nagano, Kentaro Yano, Nakao Kubo, Michitaka Notaguchi, Seisuke Kimura (2021). Combination of genetic analysis and ancient literature survey reveals the divergence of traditional Brassica rapa varieties from Kyoto, Japan. Horticulture Research, 8, 132.
京都新聞(6月2日 23面)および日本経済新聞(7月18日 26面)に掲載されました。