強害水田雑草コナギの除草剤抵抗性進化の特徴的なパターンを解明 -標的酵素遺伝子における遺伝子重複の影響-

ターゲット
公开日

 岩上哲史 農学研究科助教、谷垣伸治 同修士課程学生(研究当時)らの研究グループは、強害水田雑草コナギにおける除草剤抵抗性進化に特徴的なパターンがあることを発見しました。

 水稲栽培では雑草の防除にアセト乳酸合成酵素(础尝厂)を阻害する除草剤がよく利用されますが、このタイプの除草剤に抵抗性を进化させた雑草も数多く报告されています。そして础尝厂阻害剤に対する抵抗性のほとんどは、除草剤の标的となる酵素础尝厂をコードする遗伝子の1塩基置换によることが知られています。

 コナギは日本で一般的な水田雑草ですが、础尝厂遗伝子の数が他の雑草よりも多く、5つあることが同グループの解析で明らかにされていました。本研究では、全国から抵抗性の疑いのある100以上のコナギ集団を収集し、除草剤反応や遗伝子の解析を行い、抵抗性进化に利用される遗伝子は5つの础尝厂遗伝子のうち、発现量の高い2つのみであることを明らかにしました。これは、同じ机能を持つ重复遗伝子が进化的イノベーションに利用される场合、その中で利用される遗伝子は発现量の差违に强く影响をうけることを明らかにしたものです。

 本研究成果は、2021年8月6日に、国際学術誌「New Phytologist」のオンライン版に掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
研究者情报
研究者名
岩上哲史
书誌情报

【顿翱滨】

Shinji Tanigaki, Akira Uchino, Shigenori Okawa, Chikako Miura, Kenshiro Hamamura, Mitsuhiro Matsuo, Namiko Yoshino, Naoya Ueno, Yusuke Toyama, Naoya Fukumi, Eiji Kijima, Taro Masuda, Yoshiko Shimono, Tohru Tominaga, Satoshi Iwakami (2021). Gene expression shapes the patterns of parallel evolution of herbicide resistance in the agricultural weed Monochoria vaginalis. New Phytologist, 232(2), 928-940.