堀淑恵 生态学研究センター修士課程学生(研究当時)、藤田博昭 同博士課程学生、东树宏和 同准教授らの研究グループは、複数種の微生物と植物が共生することによって、1種の微生物のみが共生するときに比べて、植物の成長に複雑な反応が現れることを、膨大な実験データとともに明らかにしました。
近年、顿狈础分析技术の発展とともに、従来考えられてきたよりもはるかに多様な种の微生物が土壌中に存在し、植物の根を取り巻いたり、植物の根の中に入り込んだりしていることが明らかになってきました。そうした微生物たちは、その1种1种が植物に対して成长を促进する効果を持っていたり、病原菌や乾燥?高温ストレスから植物を守る効果を持っていたりします。しかし、复数の微生物が植物と共生する场合に何が起こるのかについては、知见が非常に限られていました。
本研究では、植物の根から単离された13种类の真菌(きのこ?かび类)のそれぞれについて、1种だけ植物に接种した场合と、2种を组み合わせて接种した场合(78通り)で、植物の成长がどのように変わるか、包括的に评価しました。その结果、1种だけの场合に植物の成长を大きく促进する菌を2种组み合わせた场合に元々の効果が相杀されてしまう一方、1种だけだとあまり植物にプラスの効果をもたらさない菌を2种组み合わせた场合に、植物の成长が大きく促进される场合があることを発见しました。
この成果は、「エースストライカーだけを集めたサッカーチームが必ずしも强いわけではない」ことを自然界の地下共生系において実証したもので、生物种どうしの组み合わせによって大きく変化する生物机能について、重要な视点を与えるものです。今后、植物に共生する微生物の组み合わせをうまく活かした持続可能型の农林业を设计していく上で、新たな科学的アプローチの提案につながると期待されます。
本研究成果は、2021年9月13日に、国際学術誌「Frontiers in Microbiology」に掲載されました。

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Hori Yoshie, Fujita Hiroaki, Hiruma Kei, Narisawa Kazuhiko, Toju Hirokazu (2021). Synergistic and Offset Effects of Fungal Species Combinations on Plant Performance. Frontiers in Microbiology, 12:713180.