北尾晃一 医学研究科?日本学術振興会特別研究員、宮沢孝幸 ウイルス?再生医科学研究所准教授、中川草 東海大学講師の研究グループは、哺乳類ゲノムの内在性レトロウイルスの解析により、太古のレトロウイルスに共通する遺伝子の発現制御配列を発見しました。
地球の歴史の中では多くのウイルスが生まれては絶灭していったと考えられます。化石として残らない古代ウイルスを知るには宿主ゲノムに入り込んだウイルスの痕跡(内在性ウイルス)が重要な手がかりとなります。今回、本研究グループは、哺乳类の内在性のレトロウイルスの解析によって古代レトロウイルスの遗伝子の発现制御メカニズムの解析を试みました。そして、本研究グループが発见した搁狈础制御配列「厂笔搁贰」が300种类以上の哺乳类内在性レトロウイルスにみられることを见出し、厂笔搁贰が内在性レトロウイルス遗伝子発现を制御する机能について実験的に証明しました。一方で、厂笔搁贰は现存する感染性レトロウイルス(贬滨痴など)には见つかりませんでした。およそ3,000万年前に流行した太古のレトロウイルスが、现存するレトロウイルスと异なる搁狈础制御配列をもっていたことを明らかにした本研究は、我々の知らないユニークな特徴が今后も古代ウイルスから见つかる可能性を示しています。
本研究成果は、2021年11月10日に、国际学术誌「搁别迟谤辞惫颈谤辞濒辞驳测」に掲载されました。

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Koichi Kitao, So Nakagawa, Takayuki Miyazawa (2021). An ancient retroviral RNA element hidden in mammalian genomes and its involvement in co-opted retroviral gene regulation. Retrovirology, 18:36.
日刊工業新聞(11月11日 22面)に掲載されました。