生体内に生まれた不良细胞は近接する正常细胞によって除去されることが知られており、この现象は「细胞竞合」と呼ばれています。细胞竞合は异常细胞やがん细胞を生体から除去するための重要な机构と考えられていますが、そのメカニズムはまだよくわかっていません。
细胞竞合によって除去される不良细胞では、なぜか共通してタンパク质の合成量が低下していることが知られていました。この「タンパク质合成量の低下」の仕组みを明らかにすることができれば、细胞竞合のメカニズムの解明に大きく近づくことができると考えられてきました。
今回、越智直孝 生命科学研究科博士課程学生、井垣達吏 同教授らの研究グループは、ショウジョウバエを用いて細胞競合を引き起こす遺伝子変異を探索した結果、小胞体ストレスを起こした細胞が細胞競合によって排除されることを見つけました。小胞体ストレスを起こした細胞では、小胞体ストレス応答の1つであるPERK-eIF2α経路が活性化することでタンパク質合成量が低下することが知られています。
兴味深いことに、小胞体ストレスを起こしていなくても、転写因子齿谤辫1の発现量が増大した不良细胞では笔贰搁碍-别滨贵2α経路が活性化してタンパク质合成量が低下することがわかりました。
本研究により、生体内に生まれた不良细胞は齿谤辫1タンパク质の発现量を増大することで笔贰搁碍-别滨贵2α経路を介してタンパク质合成量を低下させ、これが目印となって近接する正常细胞によって排除されることが示唆されました。今后、タンパク质合成量の低下が细胞除去に至るメカニズムを解明することで、细胞竞合现象の全貌が解明されると期待されます。
本研究成果は、2021年12月7日に、国際学術誌「PLOS Genetics」に掲載されました。

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Naotaka Ochi, Mai Nakamura, Rina Nagata, Naoki Wakasa, Ryosuke Nakano, Tatsushi Igaki (2021). Cell competition is driven by Xrp1-mediated phosphorylation of eukaryotic initiation factor 2α. PLOS Genetics, 17(12):e1009958.