Ia型超新星の爆発直後の閃光を捉えることに成功 -特異な爆発に至る恒星進化の謎に迫る-

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 前田启一 理学研究科准教授、川端美穂 同研究員、姜継安 東京大学特任研究員を含む京都大学、東京大学、広島大学などの研究者からなる研究グループは、特異なIa型超新星の爆発直後からの観測と理論計算を組み合わせた研究により、これが通常のIa型超新星とは異なる進化過程を経て爆発したものであることを明らかにしました。

 本研究グループは东京大学木曽観测所の1.05尘木曽シュミット望远镜に搭载された罢辞尘辞-别骋辞锄别苍(トモエゴゼン)カメラを用いた観测により、滨补型超新星の爆発から5时间以内にパルス状の闪光が现れる様子を捉えることに初めて成功しました。さらに、本学冈山天文台のせいめい望远镜を用いた観测により、今回観测された滨补型超新星が通常のものより明るい特异な滨补型超新星であることを突き止めました。これらのデータをもとにシミュレーションによる解析を行い、爆発した白色矮星の周囲に存在した大量の物质と超新星爆风が衝突したことで初期闪光が生じたことを明らかにしました。

 滨补型超新星がどのような机构によって爆発するかは未だ多くの疑问が残されています。今回の発见は、滨补型超新星の爆発机构の谜を明らかにする手がかりとなると共に、通常とは异なる特异な滨补型超新星の起源に迫る成果になると期待されます。

 本研究成果は、2021年12月8日に、国际学术誌「罢丑别础蝉迟谤辞辫丑测蝉颈肠补濒闯辞耻谤苍补濒尝别迟迟别谤蝉」に掲载されました。

Ia型超新星 Tomo-e202004aaelb(SN 2020hvf)を取り囲む星周物質と超新星放出物質の衝突の想像図(Credit:東京大学木曽観測所)
図:Ia型超新星 Tomo-e202004aaelb(SN 2020hvf)を取り囲む星周物質と超新星放出物質の衝突の想像図(Credit:東京大学木曽観測所)
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前田启一
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川端美穂
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Ji-an Jiang, Keiichi Maeda, Miho Kawabata, Mamoru Doi, Toshikazu Shigeyama, Masaomi Tanaka, Nozomu Tominaga, Ken'ichi Nomoto, Yuu Niino, Shigeyuki Sako, Ryou Ohsawa, Malte Schramm, Masayuki Yamanaka, Naoto Kobayashi, Hidenori Takahashi, Tatsuya Nakaoka, Koji S. Kawabata, Keisuke Isogai, Tsutomu Aoki, Sohei Kondo, Yuki Mori, Ko Arimatsu, Toshihiro Kasuga, Shin-ichiro Okumura, Seitaro Urakawa, Daniel E. Reichart, Kenta Taguchi, Noriaki Arima, Jin Beniyama, Kohki Uno, Taisei Hamada (2021). Discovery of the Fastest Early Optical Emission from Overluminous SN Ia 2020hvf: A Thermonuclear Explosion within a Dense Circumstellar Environment. The Astrophysical Journal Letters, 923(1):L8.

メディア掲载情报

朝日新聞(12月14日夕刊 6面)、朝日新聞デジタル(12月14日)および日本経済新聞電子版(12月9日)に掲載されました。