握力が覚醒下开头手术中の覚醒度の指标となる

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 馬場千夏 医学研究科博士課程学生、荒川芳輝 同講師、峰晴陽平 同特定准教授、梁楠 同准教授、溝田敏幸 同講師、稲富宏之 同教授、松田秀一 同教授、宮本享 同教授の研究グループは、開頭脳腫瘍摘出術を受ける患者において、覚醒下の神経モニタリングをするときの覚醒度の指標として、握力が有用であることを明らかにしました。

 覚醒下开头手术において正确な神経モニタリングを行うためには、患者が良好な覚醒度を维持し、その覚醒度を把握することが求められます。従来用いられてきた覚醒度の指标は、术中の测定精度が十分でないことが课题となっていました。本研究グループは、覚醒下开头手术を受けた23名の患者を対象に、全身麻酔休止后の覚醒度と握力を测定しました。その结果、病巣(患侧)と同侧(健侧)の握力は、覚醒度が上がるにつれて増大することが明らかとなりました。正确な神経モニタリングは、患者の健侧握力が术前の75%まで回復するのを待ち、良好な覚醒度を确认してから开始するのが适切であると判断されました。したがって、术中に患侧の运动机能障害を认めた场合、覚醒が悪いのか运动障害が生じたのか判别が困难な患者についても、健侧と患侧の握力を比较することにより、それらを判别することができます。これらの结果は、覚醒度の指标として握力を用いることで、覚醒度を鋭敏に捉えて正确な神経モニタリングが実施できるとともに、脳肿疡摘出による合併症の回避に役立つと期待されます。

 本研究成果は、2022年1月7日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

握力は麻酔深度値モニター(BIS値)で検出が難しい覚醒度レベルを捉えられる
図:握力は麻酔深度値モニター(叠滨厂値)で検出が难しい覚醒度レベルを捉えられる
研究者情报
研究者名
荒川 芳輝
研究者名
峰晴 陽平
研究者名
梁 楠
研究者名
溝田 敏幸
研究者名
稲富 宏之
研究者名
松田 秀一
研究者名
宮本 享
书誌情报

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Chinatsu Umaba, Yohei Mineharu, Nan Liang, Toshiyuki Mizota, Rie Yamawaki, Masaya Ueda, Yukihiro Yamao, Manabu Nankaku, Susumu Miyamoto, Shuichi Matsuda, Hiroyuki Inadomi, Yoshiki Arakawa  (2022). Intraoperative hand strength as an indicator of consciousness during awake craniotomy: a prospective, observational study. Scientific Reports, 12:216.