細菌感染で脳機能が変化する仕組みを解明 -ミクログリアは大脳の神経活動を低下させる-

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 山脇優輝 医学研究科博士課程学生、和田弥生 同博士後期研究員、大槻元 特定教授、松井茶恵 医学部生らの研究グループは、脳内の免疫細胞であるミクログリアが大脳皮質前頭前野の神経活動を制御することを発見し、そのメカニズムを初めて明らかにしました。

 脳内の神経活动の异常は多くの精神疾患で知られていますが、その详细なメカニズムは明らかではありませんでした。今回の研究では、パッチクランプ法を用いて、脳内の炎症が前头前野の神経细胞の活动に与える影响を観察しました。その结果、大脳皮质前头前野で炎症を诱导时、活性化したミクログリアが神経细胞の可塑性と呼ばれる现象を介して、神経活动を低下させることがわかりました。また、ミクログリアの活性化を抑制することで、低下した神経活动が回復することと、そのメカニズムを明らかにしました。

 近年、うつ病などの精神疾患は前头前野を含む脳内の异常免疫が示されているため、今后ミクログリアを介した神経活动の制御は精神疾患の予防法?治疗法につながる可能性があります。

 本研究成果は、2022年2月5日に、国際学術誌「Current Research in Neurobiology」にオンライン掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
研究者情报
研究者名
大槻 元
书誌情报

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Yuki Yamawaki, Yayoi Wada, Sae Matsui, Gen Ohtsuki (2022). Microglia-triggered hypoexcitability plasticity of pyramidal neurons in the rat medial prefrontal cortex. Current Research in Neurobiology, 3:100028.