黒田浩一 農学研究科准教授、滝本廉 同修士課程学生、植田充美 产官学连携本部特任教授、立道祐輝 キッコーマン株式会社研究員らの研究グループは、好気性窒素固定細菌Azotobacter vinelandiiに着目し、窒素源や酸素に対する転写応答を网罗的に解析することで、本菌が好気条件下でもニトロゲナーゼの活性を高く维持するための遗伝子を明らかにしました。また、得られた知见をニトロゲナーゼの异种発现に応用し、好気条件下でのニトロゲナーゼ活性を世界で初めて大幅に向上させることに成功しました。
近年、アンモニアは植物の肥料や化成品原料だけでなく、水素社会の実现に伴う水素キャリアーとしてますますその価値を高めています。しかし现行のアンモニア生产はハーバー?ボッシュ法に依存し、多量の化石燃料を必要とすることから持続可能性に问题を抱えています。そこで注目を集めているのがニトロゲナーゼです。ニトロゲナーゼは窒素固定细菌と呼ばれる一部の细菌が产生する酵素で、化石燃料を必要とせずに础罢笔(アデノシン叁リン酸)を用いて大気中の窒素分子からアンモニアを生产することができます。しかし、酸素に触れると机能を失ってしまうため、効率的な利用は达成できていませんでした。今回の研究成果は、ニトロゲナーゼを好気条件下で机能させる上で非常に有用であり、その効率的利用だけでなく、様々な酸素感受性酵素の好気的利用に贡献することが期待されます。
本研究成果は、2022年3月9日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

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Ren Takimoto, Yuki Tatemichi, Wataru Aoki, Yuishin Kosaka, Hiroyoshi Minakuchi, Mitsuyoshi Ueda, Kouichi Kuroda (2022). A critical role of an oxygen-responsive gene for aerobic nitrogenase activity in Azotobacter vinelandii and its application to Escherichia coli. Scientific Reports, 12:4182.