夜間陰茎勃起はヒトには自然にみられる現象です。ただ、ヒト以外の動物で同様の現象の報告はほとんどありませんでした。夜間の動物の状態を観察するのが難しいためです。本研究は、別の目的の研究から副次的に生まれた成果です。ハーバーキャンプ?クリスティン 野生动物研究センター大学院生(現:特定研究員)、平田聡 同教授らの研究グループは、飼育下のチンパンジーの睡眠の状態を調べるために夜間の様子を観察していたところ、チンパンジーにも夜間陰茎勃起が見られることを偶然に観察しました。
赤外线ビデオカメラを用いて、12个体の雄のチンパンジーの夜间の様子を撮影しました。野生动物研究センター熊本サンクチュアリ(熊本県宇城市)での研究です。各个体6日ずつ、のべ72日分の夜间行动をビデオ记録しました。その结果、8个体のチンパンジーにおいて合计46回の夜间阴茎勃起が観察されました。そのうち4~6个体では、夜间阴茎勃起の后にマスターベーションが生じ、うち1例では射精らしき现象が认められました。本研究は、ヒト以外の霊长类で夜间阴茎勃起が生じることを初めて确认した成果であり、ヒトに特有の现象ではなく、おそらく他の哺乳类でも広く见られるものである可能性を示すものです。
本研究は动物実験委员会の许可を得ておこなったもので、日常のチンパンジーの行动に操作を加えたものではありません。チンパンジーの寝室の上部からビデオカメラで撮影した単纯な観察研究です。録画したビデオ映像に予期せず记録されていた现象を记载した研究にすぎないので、特に今后の研究计画はなく、また将来継続して研究する予定もありません。
本研究成果は、2022年5月10日に、国際学術誌「Behaviour / Brill」にオンライン掲載されました。
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【书誌情报】
Kristin Havercamp, Matilda Brindle, Volker Sommer, Satoshi Hirata (2022). Spontaneous nocturnal erections and masturbation in captive male chimpanzees (Pan troglodytes). Behaviour, 159(12), 1177-1191.