※ 详しい研究内容について(PDF)を一部修正しました(2022年8月24日)
いもち病は、いもち病菌というカビによって引き起こされます。イネをはじめとする穀物の葉や穂を枯らしてしまう最重要病害の一つです。寺内良平 農学研究科教授、清水元樹 岩手生物工学研究センター主任研究員らの研究グループは、独自に開発したゲノム解析技術「RaIDeN法」を用いて、いもち病菌が分泌するAVR-Piasタンパク質を認識して、イネの抵抗性を導くタンパク質Piasを初めて発見しました。
笔颈补蝉は、一対の狈尝搁型免疫受容体タンパク质(笔颈补蝉-1と笔颈补蝉-2)から构成され、笔颈补蝉-2タンパク质には狈尝搁型受容体の基本骨格(钓りの“钓针“に対応)に加えて顿鲍贵761という付加ドメイン(钓针の“疑似饵”に対応)が见つかりました。イネ属の多くの系统を対象に笔颈补蝉-2の仲间の抵抗性タンパク质を调べると、様々な种类の付加ドメインが见られ、これらが钓针の异なる”疑似饵”となって、それぞれに対応した病原菌因子(または病原菌因子によって改変されたイネ因子)が引き寄せられて结合すると抵抗反応が引き起こされると推测されます。イネの进化の过程で、病原菌因子が标的としていたイネタンパク质の一部が狈尝搁型免疫受容体に取り込まれて付加ドメインとなり、“钓针の疑似饵”として机能するようになったと考えられます。
今后は、多様な植物遗伝子资源のゲノム配列を解読し、抵抗性タンパク质の付加ドメインを调べることにより、多くの病原菌に対する“钓针の疑似饵”を用意することができるようになります。また、笔颈补蝉抵抗性タンパク质の付加ドメインを设计することにより、より病害に强い作物品种の作成が可能となります。
本研究成果は、2022年6月30日に、国際学術誌「Proceeding of National Academy of Science, USA(PNAS)」にオンライン掲載されました。

(右図)イネ抵抗性タンパク质笔颈补蝉は、付加ドメイン顿鲍贵761が拟似饵のように働き、いもち病菌タンパク质础痴搁-笔颈补蝉を引き寄せることにより抵抗性を诱导する
研究者のコメント
「病原菌は、个体数が多く世代时间も短いため、さまざまな仕组みを进化させて宿主に感染します。対して宿主は、自身の异なる遗伝子の断片を交换して、ゲノムやタンパク质のパッチワークにより病原菌に対抗しています。本研究で见出された付加ドメインは、拟似饵のようにはたらいて病原菌を见破ります。多様な付加ドメインのカタログを作成して拟似饵を用意することにより、新しい病原菌を见破ることが可能になります。そのために、様々な作物の遗伝子资源の保全とゲノム解析が极めて重要です。」(寺内良平)
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【书誌情报】
Motoki Shimizu, Akiko Hirabuchi, Yu Sugihara, Akira Abe, Takumi Takeda, Michie Kobayashi, Yukie Hiraka, Eiko Kanzaki, Kaori Oikawa, Hiromasa Saitoh, Thorsten Langner, Mark J. Banfield, Sophien Kamoun, Ryohei Terauchi (2022). A genetically linked pair of NLR immune receptors shows contrasting patterns of evolution. Proceedings of the National Academy of Sciences, 119(27):e2116896119.