ヒトに肝炎をもたらす病原体ウィルスの特定やワクチン開発のため、過去にチンパンジーがモデル動物として使われていました。野生动物研究センター熊本サンクチュアリは、過去に医学研究に使われたチンパンジーが余生を安らかに暮らす場所です。平田聡 野生动物研究センター教授、クリスティン?ハーバーキャンプ 同研究員らのグループは、熊本サンクチュアリおよびその前身施設に飼育されていたチンパンジーたちの生存と死亡の記録を分析し、C型肝炎ウィルスの実験的感染を受けたチンパンジーの寿命を算出しました。
その结果、医学実験のため颁型肝炎ウィルスが体に残ったチンパンジーは、そうでないチンパンジーに比べて早く亡くなることが分かりました。肾臓の病気が死因となった例が复数あり、また、肝机能も低下していることが确かめられました。1970年代から21世纪初头にかけて、チンパンジーをモデル动物にした医学研究は世界的に多くおこなわれてきましたが、颁型肝炎感染実験の影响を追跡し报告した研究はこれまでになく、本研究が世界初の报告となります。
本研究成果は、2022年8月10日に、国際学術誌「Biology Letters」にオンライン掲載されました。

过去に颁型肝炎感染実験の対象になり感染した。写真は别の医学研究施设から熊本サンクチュアリに引き取られて间もなく撮影したもの。
研究者のコメント
「颁型肝炎感染チンパンジーの治疗费获得のためのクラウドファンディングを始める计画をしています。医疗の进歩で良い治疗薬が开発され、ヒトの颁型肝炎は治疗可能になりました。チンパンジーも治疗可能なはずですが、治疗薬が高価なため、経済的に负担が大きい状况です。皆様からご支援いただければ幸いです。」(平田聡)
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【书誌情报】
Satoshi Hirata, Kristin Havercamp, Yumi Yamanashi, Toshifumi Udono (2022). Hepatitis C virus infection reduces the lifespan of chimpanzees used in biomedical research. Biology Letters, 18(8):20220048.