コアラのおしりを彻底解剖!―神経分布から筋を特定?前世纪以来の解剖记述不一致を解消―

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 哺乳类の中には、我々ヒトを含む有胎盘类と有袋类がいます。有胎盘类と有袋类はそれぞれ生息する环境に适応し、さまざまな形态を获得してきました。系统的に离れているにもかかわらず进化过程で独立して似たような形态を获得することを収敛と言いますが、こうした进化の结果获得した形态は机能的にも类似しているのでしょうか?この课题は哺乳类の进化を考える上で重要である一方、复数の理由からこれまで検証が困难でした。その主な理由のひとつに、有袋类の解剖学的知见が不十分であったことが挙げられます。例えば有胎盘类と同等と考えられる筋肉に异なる名称が使用されたり、同じ有袋类の筋肉についての记述が文献によって异なったりと混乱も多く、有袋类の筋肉に関する解剖学的な知识それ自体に再评価と更新が必要でした。

 そこで、東島沙弥佳 白眉センター特定助教、姉帯飛高 順天堂大学助教、姉帯沙織 埼玉医科大学助教らの共同研究グループは、オーストラリア?アデレード大学に所蔵されていたコアラ成獣標本において臀部ならびに後部大腿筋群の肉眼解剖と神経支配による筋の同定を実施しました。本研究で用いた筋の同定方法は、筋肉の発生学的な起源に基づくものであり、従来の方法より信頼性の高いものです。これにより、従来は困難だった他の分類群(有胎盤類)との解剖知見の比較も可能となり、樹上性霊長類と有袋類に共通する特徴や、コアラ特有の筋形態的特徴を明らかにすることができました。

 本研究成果は、2022年9月15日に、国際科学誌「PLOS ONE」にオンライン掲載されました。

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复数の筋肉が重なり合ったコアラのおしり(臀部)と后大腿部を丁寧に解剖し、长らく混迷していた解剖学的な记述を整理することができました。

研究者のコメント

「「コアラ」と言われれば、たいていの人はその姿を脳里に思い浮かべることができるのではないでしょうか?しかし、その皮の下に一体どんな筋肉がどのように存在しているのか。コアラの解剖学がここ100年ほど、ほとんど更新されていないことは、ほとんどの方がご存知ないはずです(だからこそ100年近くも放置されていました)。最新の机器やツールが次々に発表され技术革新の着しい世の中ですが、生物を知るための基本はその形を丁寧に観察?记述することだと我々は考えています。」(东岛沙弥佳)

研究者情报
研究者名
東島 沙弥佳
书誌情报

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【书誌情报】
Sayaka Tojima, Hidaka Anetai, Kaito Koike, Saori Anetai, Kounosuke Tokita, Chris Leigh, Jaliya Kumaratilake (2022). Gross anatomy of the gluteal and posterior thigh muscles in koalas based on their innervations. PLOS ONE, 17(9):e0261805.

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