木质资源は地球上で最も豊富なバイオマスであり、その固形分の约50%をセルロースが占めます。低炭素社会の実现に向けバイオマスの高度利用が急务であり、セルロースの利活用は重要です。近年注目の活用例としてセルロースナノファイバー(颁狈贵)が挙げられます。颁狈贵は、树木の细胞壁(パルプ)を化学?机械処理によりナノレベルまで解きほぐして得られる繊维状の材料です。颁狈贵は1)軽くて强い、2)热しても膨张しない、3)絶縁性で诱电率が高い、などの优れた特性を兼ね备えています。これらの优れた特性から、颁狈贵は低炭素社会における高机能材料として期待されています。しかし、颁狈贵の社会実装はいまだ限定的です。その原因の一つに、颁狈贵材料の性能が、颁狈贵1本の优れた特性から期待される水準に达していない、という现状があります。一般にナノ材料の欠陥构造は、材料の强度の低下などにつながります。颁狈贵にも折れ曲がりや裂け目などの欠陥构造が存在することが报告されていましたが、详细はあまりわかっていませんでした。颁狈贵の优れた特性を十分に活かすには、欠陥の详しい构造や発生机构などの理解が不可欠です。
そこで、小林加代子 農学研究科助教らの研究グループは、試料を原子レベルの精度で観察可能な顕微鏡と、画像処理による解析を組み合わせることで、CNFの欠陥構造の精密な解析を試みました。その結果、CNF表面には原子レベルの「凹み」が多く存在していることを発見しました。この凹みは、CNF全長の少なくとも30~40%を占めていました。また、折れ曲がりの付近で発生している凹みは、その他の場所に生じている凹みよりも深く長い傾向があることも見出しました。これらの結果から、機械処理によってパルプがCNFへと解きほぐれる際にCNF表面からセルロース分子鎖が剥離し、CNFの折れ曲がりや切断につながるという、CNF欠陥構造の発生機構を提案しました。
本研究で提案した颁狈贵の欠陥の発生机构は、欠陥のない理想的な颁狈贵の生产の足掛かりとなる重要な知见です。またこの知见は、颁狈贵だけでなく、キチンナノファイバーなどその他のバイオポリマーにも応用可能であり、様々なバイオマスに由来する高机能材料の社会実装に贡献できると言えます。
本研究成果は、2022年8月26日に、「Nanoscale Horizons」にオンライン掲載されました。

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【书誌情报】
Tomoki Ito, Kazuho Daicho, Shuji Fujisawa, Tsuguyuki Saito Kayoko Kobayashi (2022). Atomic-scale dents on cellulose nanofibers: the origin of diverse defects in sustainable fibrillar materials. Nanoscale Horizons, 7(10), 1186-1191.