八重山诸岛(石垣岛と西表岛)に生息する日本最大のヤスデであるヤエヤママルヤスデを新种记载

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 加藤大河 理学研究科大学院生、中野隆文 同准教授、島野智之 法政大学教授(環境省レッドリスト委員)、高野光男氏(元環境省レッドリスト委員)は共同で、2023年に日本最大のヤスデであるヤエヤママルヤスデ(ヤスデ綱)を新種として記載しました。ヤスデ(ヤスデ綱)は、ムカデなどと共に多足亜門を構成しています。ムカデは一般に他の小動物を捕食するため顎肢に毒をもつことが多いのですが、ヤスデは落ち葉などの腐植などの有機物を餌としており、動きも比較的ゆっくりで毒をもつ顎肢を持たず咬まれることはありません。ヤスデの英名はmillipedeであり、ラテン語で千(milli)の脚(ped)に由来するように、多足亜門の中でも体節が多く、1節あたり2対の脚をもっているのが特徴です。

 これまで和名「ヤエヤママルヤスデ」と呼ばれてきたマルヤスデ属Spirobolusの未記載種は、沖縄県?八重山諸島の石垣島と西表島、およびその間にある小浜島から記録されており、環境省版レッドリストに掲載され、絶滅危惧II類 (VU)とされながらも、分類学的位置づけは長らく未解決でした。しかし、本種の保全を考える上で、分類学的に明確にすることは必要であるため、本種の分類学的研究を行いました。

 本论文では、形态学的および分子生物学的アプローチにより、ヤエヤママルヤスデの分类学的位置づけを検讨しました。形态では、雄の生殖に関わる脚の特徴、雌の生殖器官の特徴で中国大陆や台湾の固有种とは异なっていました。核の28厂リボソーム搁狈础遗伝子、ミトコンドリアの颁翱滨遗伝子及び16厂リボソーム搁狈础遗伝子の部分塩基配列の情报はSpirobolus属に所属している事を示唆しました。これらの情报に基づいて、本种ヤエヤママルヤスデをSpirobolus akamma Kato, Takano, Nakano and Shimano, 2023として新種記載しました(学名読み:スピロボルス?アカンマ)。

 本种は、体长6.5肠尘~7.5肠尘でありヤスデ类としては日本最大。学名の补办补尘尘补「赤马(あかんま)」は、ヤスデの脚がたくさんの马が駆ける様に动くことから「马陆(やすで)」とよばれることと、本种が赤と黒の体色の美丽种であること、そして赤马节として歌に歌われる八重山诸岛の民话に由来しています。1670年顷の话で、おめでたいときに歌われる歌ではありますが、主人のことを慕う従顺な赤い马の悲しい物语でもあります。

 本种は现地でも个体数が减少しており、今后、ますます保全の対象として、重要かつ贵重な种となります。

 本研究成果は、2023年1月12日に、「Species Diversity(スピーシーズ?ダイバーシティ)誌」に掲載されました。

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ヤエヤママルヤスデ(写真:岛野智之)

研究者のコメント

「石垣岛ゆかりの赤马节にちなんで名付けた本种の种小名akamma。この学名がひらめき、中野さんにその案(最初は补办补苍尘补でした)を提示した际、その缀りについて、「八重山方言の辞书で、赤马の音を正确に调べたら良いよ」とご教示をいただきました。现地ゆかりの言叶を借りるのですから、その文化を尊重できたらと思いを致しました。八重山の皆さん、そして全国の皆さんが、本种に亲しみを感じ、その保全のために温かく见守っていただけたら幸甚です。」(加藤大河)

研究者情报
研究者名
中野 隆文
书誌情报

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【书誌情报】
Taiga Kato, Mitsuo Takano, Takafumi Nakano, Satoshi Shimano (2023). Taxonomic Assessment of a Threatened Large Millipede Endemic to the Southern Ryukyu Islands, Japan: a New Species of Spirobolus (Diplopoda: Spirobolida: Spirobolidae) from the Yaeyama Islands. Species Diversity, 28(1), 23-30.