ゲノム解読による植物病害抵抗性の解明―イネ-いもち病菌「遗伝子対遗伝子」の戦い

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 いもち病は、イネの最重要病害の一つです。遗伝学とゲノム解読を駆使して、いもち病の発生を抑えるイネ抵抗性遗伝子を新たに発见しました。2种のイネを交雑して作った様々な遗伝子组成の子孙の集団と、2种のいもち病菌を交雑して作った様々な遗伝子组成の子孙の集団を用意してゲノム解読を行い、いもち病菌のイネへの感染试験を行い、イネの遗伝子といもち病の遗伝子(遗伝子対遗伝子)の特定の组合せによって抵抗性がおこる仕组みを调べました。结果、イネの笔颈办蝉抵抗性遗伝子といもち病菌の础痴搁-惭驳办1遗伝子を新たに见つけました。笔颈办蝉タンパク质は、础痴搁-惭驳办1タンパク质に直接结合して抵抗性を诱导します。ゲノム解読による「遗伝子対遗伝子」作用解明の手法は、様々な生物间相互作用を解明する上で有用な方法です。

 本研究は、杉原優 農学研究科博士課程学生、寺内良平 同教授、藤﨑恒喜 岩手生物工学研究センター主任研究員ら、神戸大学、英国のセインズベリー研究所等の研究者の共同成果です。

 本研究成果は、2023年1月19日に、国際学術誌「PLOS Biology」にオンライン掲載されました。

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研究者のコメント

「近年の生物学は、注目した遗伝子を破壊したり変更した时に生物にどのような影响が现れるかを调べる『逆遗伝学』が流行です。本研究は、かけ合わせ実験により生物の性质の违いがどのような遗伝変异に原因するのかを调べる『顺遗伝学』とゲノム解読を合体することにより、画期的な発见に至りました。相互作用している様々な生物种に対して今回用いた手法を适用することにより、今后さまざまな『遗伝子対遗伝子』相互作用を明らかにすることができると考えています。」(寺内良平)

研究者情报
研究者名
寺内 良平
书誌情报

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【书誌情报】
Yu Sugihara, Yoshiko Abe, Hiroki Takagi, Akira Abe, Motoki Shimizu, Kazue Ito, Eiko Kanzaki, Kaori Oikawa, Jiorgos Kourelis, Thorsten Langner, Joe Win, Aleksandra Bia?as, Daniel Lüdke, Mauricio P. Contreras, Izumi Chuma, Hiromasa Saitoh, Michie Kobayashi, Shuan Zheng, Yukio Tosa, Mark J. Banfield, Sophien Kamoun, Ryohei Terauchi, Koki Fujisaki (2023). Disentangling the complex gene interaction networks between rice and the blast fungus identifies a new pathogen effector. PLOS Biology, 21(1):e3001945.