新规ウイルス门の発见―ヘルペスウイルスの起源の解明に寄与―

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 ヒトの病原体として、あるいは微生物の寄生体として数多くの二本鎖DNAウイルスが知られています。孟令杰 化学研究所特定研究員、緒方博之 同教授らは、フランスの原子力庁、国立科学研究センター、パスツール研究所等との国際共同研究により、「門」レベルの新たなウイルス分類群を発見しました。

 二本锁顿狈础ウイルスの多くは2つの分类群に分けられます。その2つの分类群は、デュプロドナウイルス域とバリドナウイルス域です。本研究により新たに発见されたミルスウイルスは、両グループの特徴を示すキメラ状のゲノムを有していました。ウイルス粒子构造に関わる遗伝子は、ヘルペスウイルスを含むデュプロドナウイルス域に特徴的で、遗伝情报の発现に関わる遗伝子は、バリドナウイルス域に属する巨大ウイルスの特徴を示していました。また、ミルスウイルスは微细藻类などのプランクトンを推定宿主とする海洋ウイルスの主要なグループであることも示されました。本研究により、プランクトンを宿主とするミルスウイルスの祖先からヘルペスウイルスが进化してきたこと、二本锁顿狈础ウイルスの初期进化においてウイルス间遗伝子水平伝播が重要な役割を果たしたこと、この2つの可能性が示唆されました。

 本研究成果は、2023年4月20日に、国际学术雑誌「狈补迟耻谤别」にオンライン掲载されました。

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研究者のコメント

「海洋に広く分布するミルスウイルスの発见は、ウイルス进化学における长年のギャップを埋めるだけでなく、ウイルスの多様性の探索に新たな可能性をもたらしました。今后も、未知のウイルスの発见が期待されます。また、今回の结果から、バイオインフォマティクスがウイルス学、进化学、生态学において重要な役割を果たせることが明确に示されました。バイオインフォマティクスを适切に活用することで、私たちが、地球上に存在するウイルスをより深く理解できるよう、一层努力したいです。」(孟令杰)

研究者情报
研究者名
緒方 博之
书誌情报

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【书誌情报】
Morgan Ga?a, Lingjie Meng, Eric Pelletier, Patrick Forterre, Chiara Vanni, Antonio Fernandez-Guerra, Olivier Jaillon, Patrick Wincker, Hiroyuki Ogata, Mart Krupovic, Tom O. Delmont (2023). Mirusviruses link herpesviruses to giant viruses. Nature, 616(7958), 783–789.

メディア掲载情报

読売新聞(9月1日 13面)に掲載されました。

関连部局