免疫赋活化能を有する古细菌脂质を発见―古细菌脂质は惭颈苍肠濒别受容体に认识される―

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 古细菌は、一般的に极限环境に生息する微生物と认识されていますが、ヒトを含めた哺乳类の肠管や皮肤などにも常在する身近な微生物です。しかしながら、常在古细菌が宿主の健康や疾病にどのように関わっているかについては、解析がほとんど进んでいません。

 井貫晋輔 薬学研究科准教授、大野浩章 同教授、岡詩織 同博士課程学生、山﨑晶 大阪大学教授らの研究グループは、精密有機合成による化合物供給と様々な免疫活性評価によって、古細菌が有する特徴的な脂質(グルコシルジアルキルグリセロール)が自然免疫受容体Mincleに作用して、炎症性サイトカインの産生などの自然免疫応答を活性化することを明らかにしました。

 古细菌は、细菌や真核生物とは异なるドメインの生物であり、特异な分子を数多く有します。本研究が発端となり、宿主の免疫机能を制御する分子群の探索が进めば、新たな标的?作用机序の発见、新规创薬シーズの创出などに繋がることが期待されます。

 本研究成果は、2023年8月9日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。

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研究者のコメント

「古细菌は、脂质以外にもたくさんの特徴的な分子を有しています。このような分子の解析を进めることで、『なぜ、古细菌がヒトを含めた哺乳类に常在するのか?』、『常在古细菌は宿主の健康维持や病态形成にどのように関わるのか?』、『なぜ、常在古细菌が进化の过程でこのような特有な分子群を选択するに至ったか?』といった命题に取り组むための科学的基盘の构筑に繋がればと考えています。」(井贯晋辅)

研究者情报
研究者名
井貫 晋輔
研究者名
大野 浩章
书誌情报

【顿翱滨】


【书誌情报】
Shiori Oka, Miyuki Watanabe, Emi Ito, Ami Takeyama, Takuro Matsuoka, Masatomo Takahashi, Yoshihiro Izumi, Norihito Arichi, Hiroaki Ohno, Sho Yamasaki, Shinsuke Inuki (2023). Archaeal Glycerolipids Are Recognized by C-Type Lectin Receptor Mincle. Journal of the American Chemical Society, 145(33), 18538-18548.