○教育基本法
(平成十八年十二月二十二日)
(法律第百二十号)
教育基本法をここに公布する。
教育基本法
教育基本法(昭和二十二年法律第二十五号)の全部を改正する。
目次
前文
第一章 教育の目的及び理念(第一条―第四条)
第二章 教育の実施に関する基本(第五条―第十五条)
第叁章 教育行政(第十六条?第十七条)
第四章 法令の制定(第十八条)
附则
我々日本国民は、たゆまぬ努力によって筑いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人类の福祉の向上に贡献することを愿うものである。
我々は、この理想を実现するため、个人の尊厳を重んじ、真理と正义を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人间性と创造性を备えた人间の育成を期するとともに、伝统を継承し、新しい文化の创造を目指す教育を推进する。
ここに、我々は、日本国宪法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を确立し、その振兴を図るため、この法律を制定する。
第一章 教育の目的及び理念
(教育の目的)
第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な资质を备えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
(教育の目标)
第二条 教育は、その目的を実现するため、学问の自由を尊重しつつ、次に掲げる目标を达成するよう行われるものとする。
一 幅広い知识と教养を身に付け、真理を求める态度を养い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を养うこと。
二 个人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、创造性を培い、自主及び自律の精神を养うとともに、职业及び生活との関连を重视し、勤労を重んずる态度を养うこと。
叁 正义と责任、男女の平等、自他の敬爱と协力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する态度を养うこと。
四 生命を尊び、自然を大切にし、环境の保全に寄与する态度を养うこと。
五 伝统と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を爱するとともに、他国を尊重し、国际社会の平和と発展に寄与する态度を养うこと。
(生涯学习の理念)
第叁条 国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる机会に、あらゆる场所において学习することができ、その成果を适切に生かすことのできる社会の実现が図られなければならない。
(教育の机会均等)
第四条 すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける机会を与えられなければならず、人种、信条、性别、社会的身分、経済的地位又は门地によって、教育上差别されない。
2 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状态に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を讲じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困难な者に対して、奨学の措置を讲じなければならない。
第二章 教育の実施に関する基本
(义务教育)
第五条 国民は、その保护する子に、别に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる义务を负う。
2 义务教育として行われる普通教育は、各个人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基础を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な资质を养うことを目的として行われるものとする。
3 国及び地方公共団体は、义务教育の机会を保障し、その水準を确保するため、适切な役割分担及び相互の协力の下、その実施に责任を负う。
4 国又は地方公共団体の设置する学校における义务教育については、授业料を徴収しない。
(学校教育)
第六条 法律に定める学校は、公の性质を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを设置することができる。
2 前项の学校においては、教育の目标が达成されるよう、教育を受ける者の心身の発达に応じて、体系的な教育が组织的に行われなければならない。この场合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な规律を重んずるとともに、自ら进んで学习に取り组む意欲を高めることを重视して行われなければならない。
(大学)
第七条 大学は、学术の中心として、高い教养と専门的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知见を创造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
2 大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。
(私立学校)
第八条 私立学校の有する公の性质及び学校教育において果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体は、その自主性を尊重しつつ、助成その他の适当な方法によって私立学校教育の振兴に努めなければならない。
(教员)
第九条 法律に定める学校の教员は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修养に励み、その职责の遂行に努めなければならない。
2 前项の教员については、その使命と职责の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の适正が期せられるとともに、养成と研修の充実が図られなければならない。
(家庭教育)
第十条 父母その他の保护者は、子の教育について第一义的责任を有するものであって、生活のために必要な习惯を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の调和のとれた発达を図るよう努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保护者に対する学习の机会及び情报の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を讲ずるよう努めなければならない。
(幼児期の教育)
第十一条 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基础を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成长に资する良好な环境の整备その他适当な方法によって、その振兴に努めなければならない。
(社会教育)
第十二条 个人の要望や社会の要请にこたえ、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。
2 国及び地方公共団体は、図书馆、博物馆、公民馆その他の社会教育施设の设置、学校の施设の利用、学习の机会及び情报の提供その他の适当な方法によって社会教育の振兴に努めなければならない。
(学校、家庭及び地域住民等の相互の连携协力)
第十叁条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と责任を自覚するとともに、相互の连携及び协力に努めるものとする。
(政治教育)
第十四条 良识ある公民として必要な政治的教养は、教育上尊重されなければならない。
2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活动をしてはならない。
(宗教教育)
第十五条 宗教に関する寛容の态度、宗教に関する一般的な教养及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。
2 国及び地方公共団体が设置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活动をしてはならない。
第叁章 教育行政
(教育行政)
第十六条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との适切な役割分担及び相互の协力の下、公正かつ适正に行われなければならない。
2 国は、全国的な教育の机会均等と教育水準の维持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
3 地方公共団体は、その地域における教育の振兴を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。
4 国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な财政上の措置を讲じなければならない。
(教育振兴基本计画)
第十七条 政府は、教育の振兴に関する施策の総合的かつ计画的な推进を図るため、教育の振兴に関する施策についての基本的な方针及び讲ずべき施策その他必要な事项について、基本的な计画を定め、これを国会に报告するとともに、公表しなければならない。
2 地方公共団体は、前项の计画を参酌し、その地域の実情に応じ、当该地方公共団体における教育の振兴のための施策に関する基本的な计画を定めるよう努めなければならない。
第四章 法令の制定
第十八条 この法律に规定する诸条项を実施するため、必要な法令が制定されなければならない。
附则 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。