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京都大学広报誌
京都大学広报誌『红萠』

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施设探访

2019年春号

施设探访

生存圏研究所 材鑑调査室

1943年に设立された京都大学木材研究所を前身とする材鑑调査室には、飞鸟时代から现代に至るまで、多种多様な建筑古材や2万点を超える木材标本が所蔵されている。「木材はビックデータ! 私たちの歴史や文化はもちろん、地域性や年代、当时の気候までも、この木片からわかるんです」。室内を温かく包みこむオレンジの照明の中、杉山淳司教授と反町始さんの案内で木材に秘められた情报を调査した。

案内役

杉山淳司 教授の写真とイラスト

杉山淳司教授  生存圏研究所

すぎやま?じゅんじ 1959年、大阪府に生まれる。京都大学大学院农学研究科修士课程林产工学専攻修了。东京大学农学博士。东京大学农学部助手、フランス国立科学研究センター(颁狈搁厂-颁贰搁惭础痴)研究员、京都大学木质科学研究所助教授などをへて、2006年から现职。

反町 始さんの写真とイラスト

反町 始さん 生存圏研究所 技術職員

そりまち?はじめ 1975年、爱媛県に生まれる。1999年に日本大学农獣医学部林学科を卒业。京都大学木质科学研究所をへて、2004年から现职。2006年から材鑑调査室の业务に携わる。


材鑑调査室はこんなところ

※マップ内の数字をクリックすると该当の内容に移动します。

1 建築古材

二条城黒书院の野地板のスギ

材鑑调査室の特笔すべき特徴は、飞鸟时代の法隆寺や江戸时代の二条城など、各时代を代表する建筑物の部古材の収蔵。约500点におよぶ古材の多くは、木材の劣化研究の第一人者である故小原二郎先生(千叶大学名誉教授)からの寄赠。戦前から戦后にかけて、日本各地の寺院で実施された解体修理の际に譲り受けたという。

 

 

古材からわかること

● 建材の树种识别

颁罢を使えば、断面を切り出せない极小のサンプルも分析可能。

文化财の补修には同じ树种を使うことが原则。树种の特定は、保存?継承に役立つことはもちろん、创建时の时代背景を理解することにもつながる。
 断面を切り出して光学顕微镜で组织を确认する方法が一般的であるが、现在は齿线颁罢などを用いて、贵重な文化财を伤つけることなく、非破壊で树种を识别することもできる。

教授のイラスト

兴福寺や博物馆に协力して国宝?阿修罗像の心木の调査にも参加しています。颁罢画像に映った木目を人工知能に判定させ、树种を特定するという新しい技术です。

●木材の材料寿命

教授のイラスト

老化のメカニズムがわかれば、文化财の修復时期の目安にできますし、修復に使用する木材の选定に活用できます。

木材は湿度が高いと水分を吸収して膨らみ、乾燥すると逆に放出して缩む。その働きが活発な若い木材を古い木製品の修理にはめ込むと、古材を破壊することがある。そこで热処理を施して老化させた人工的な古材を作って利用する。

●树木年轮に刻まれる当时の気候

树木の多くは春から秋にかけて成长し、干が太くなる。その痕跡が年轮。近年注目されているのが、年轮に含まれる炭素や酸素、水素から当时の気候を推定する方法。元素には、时间が経つと他の核种に変化するものと、そうでない安定なものとがある。安定な元素は、変化することなく年轮の中に残る。湿度と相関のある重い酸素の量を测れば、その年の降雨量を推定できる。

教授のイラスト

雨の少ない时期と飢饉の时期とが合致するなど、データと歴史上の出来事とを照らしあわせると新たな侧面が见えてきます。分析技术が进歩すれば、さらに多くのことがわかるかも。贵重な手がかりがつまった〈もの〉を次世代につなぐことも私たちの责务です。



A 法隆寺五重塔の心柱(ヒノキ)
推定树齢は455年以上、年代は241?594年(弥生时代から飞鸟时代)顷。年轮の数は351あり、削り落とされた周囲の年轮数を加算すれば、正确な伐採年代を推测できるという。

教授のイラスト

奈良文化财研究所の调査で伐採年が推定され、法隆寺の再建?非再建论争に新たな知见を与えました。しかも、この年轮には弥生时代や古坟时代の日本列岛の姿を知る手がかりがつまっています。まるでタイムカプセルですね。

ウッドデッキ

调査室の屋根里仓库には、さらに大きな建筑古材を保管。寺院の改修や修理の话を闻きつけると教员自ら足を运び、交渉し、部材を譲り受ける。しかし、保管の重要性はまだまだ认知されておらず、贵重な古材の多くが捨てられているという。

反町さんのイラスト

祇园祭の山鉾の车轮や2013年に解体された京都大学音楽集会堂の建物部材なども保管しています。たくさんの情报を残せるよう、引き取ってきたままの形で保存します。

树木の构造とその机能を考える

教授のイラスト

私の研究の柱は、树木の构造がどのように作られ、どのように机能するのかを调べること。そのためにも多様な木材资料やデータを集め、解析することが必要です。肉眼や顕微镜レベルでのマクロな调査だけでなく、赤外线や齿线を使った分子のレベルでの调査も研究対象です。
所蔵する木材标本を、いかに有効に利用できるか、自らの手を动かして研究しています。人工知能などの新しい手法を导入して、新しい科学を创生したいです。

2 木材标本

 

室温22度、湿度40パーセントに管理されたこの部屋は材鑑调査室の〈ハート〉。スチール製の引き出しには、京都帝国大学时代の収集品を含めて2万497点の木材标本が収められている。これらは、木目や树皮、材面を観察したり、树种特定の标準标本として使われたりする。毎年新たに、大学の演习林や国有林で採集されるものや、寄赠されたり台风による倒木で破弃されるものを譲り受け、标本にして保管している。
すべての标本に番号をつけ、データベース化してインターネット上に公开。材鑑调査室が音头をとって、国内7つの施设との合同ネットワークを构筑し、各大学の木材标本を同じウェブページで検索できる仕组みになっている。


レバノンスギのかけら
クフ王のピラミッド傍の地下石室に埋蔵されていた、约4,600年前の木造船「クフ王の第2の船」から採取されたもの。早稲田大学と京都大学の共同研究によって、木片はヒマラヤスギ属の一种で、地中海周辺に生育するレバノンスギだと考えられている。

京都大学芦生演习林で伐採した木材
辺材と心材の特徴を比べられるよう、断面に工夫を凝らしている。

B 屋久杉の円板标本
树齢2,000年を超えるスギの巨木が现生する屋久岛。この円板标本は直径180センチメートル、树齢はおよそ950年とされる。屋久杉は树脂が多いのが特徴で、この标本からは、生育していた鎌仓时代に蓄えられた树脂が今も染み出している。

珪化木
长年にわたって地中に埋もれ、鉱水や鉱泉などに晒された木材の成分が、何万年もかけて二酸化ケイ素に置き换わったもの。

教授のイラスト

いわゆる木の化石です。表面を薄く切り取り、顕微镜でのぞくと、木材の组织がそのまま残っています。

C 组み立て付録

教授のイラスト

研究者は、木材の组织を3次元で捉えて识别しています。広叶树の木部组织には水分を通す道管があり、光学顕微镜で覗くと道管の穴が観察できる。
3つの断面ごとに见え方が违うことを実感してもらおうと、「」の参加者向けに组み立て式の付録を作りました。

3〈木づかい〉を知る 伝统木工芸品

日本各地に伝わる木工芸品には、その材を选択する理由と、材の特性を生かして美しく仕上げる技术と智恵がつまっている。

反町さんのイラスト

日本人が古くから、いかに木と密接に関わってきたのかを物语る资料でもあります。

スポーツ用品メーカーの依頼で、バットに使われている木材を调べたことも。

箱根寄木细工
木材の色の违いを利用して模様を描く。

一位一刀彫
イチイは庭木としても一般的な针叶树。古代には高官の笏(しゃく)に使われ、イチイの名は正一位、従一位といった位の名前に由来するとの説もある。
一位一刀彫は岐阜県の木工品。浓い赤茶色をした心材と、辺材の薄い色を生かして彫られている。

Before

After

材鑑调査室の沿革

1943 木材研究所 設立
1978 イギリスのキュー王立植物园が监修する国际木材标本库総覧に机関略号碍驰翱飞として正式登録
1980 材鑑调査室 設立
1991 木质科学研究所に改组
2004 生存圏研究所 設立(木質科学研究所と宙空電波科学研究センターを統合再編)
2005 大学附置全国共同利用研究所として活动を开始
2007 バーチャルフィールド、展示室の新设
2009 古材中心の屋根里収纳库を新设

一般公开

毎年秋に开催される「」に合わせて一般公开。2018年は約300名の参加者があり、ルーぺを用いた木材の組織観察などの体験実習を実施。

●〈もの〉のデータベース

生存圏研究所は共同利用?共同研究拠点に登録されており、国内外の研究者が利用できる。大型装置?设备の共用と、生存圏に関するさまざまなデータベースの公开が主轴。データベースには、计测结果などの〈电子データ〉と木材标本など〈もの〉の2种类がある。材鑑调査室は〈もの〉のデータベースの拠点として、文理融合の研究を推进する。

●生存圏研究所

日常の生活の场所としての「生活圏」、私たちを包む「大気圏」、大気圏の中で呼吸する「森林圏」、地球外につながる「宇宙圏」など、人类の生存に必要な领域と空间を「生存圏」と捉え、その现状を诊断?评価し、将来の解决策を探究する。宇宙スケールから遗伝子レベルにいたる多様な研究テーマに、分野の枠を超えて取り组んでいる。

アクセス図

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