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京都大学広报誌
京都大学広报誌『红萠』

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施设探访

2021年春号

施设探访

フィールド科学教育研究センター 瀬戸临海実験所 白浜水族馆

日本屈指の温泉地として知られる和歌山県?白浜。夕景の名所でもある南纪白浜のシンボル「高嶋(円月岛)」の対岸に、日本では数少ない大学附属の水族馆、白浜水族馆がある。展示の中心は、サンゴやナマコ、エビなどの无脊椎动物。动きは少なく、地味な存在ながら、生物进化の解明には不可欠な存在た?。隣接する瀬戸临海実験所で甲殻类の研究を进める下村通誉准教授と水族馆で饲育などを担当する原田桂太さんの案内で、奥深い无脊椎动物の可能性に触れた。

案内役

下村通誉 准教授

下村通誉 准教授 フィールド科学教育研究センター

しもむら?みちたか?1972年、高知県に生まれる。北海道大学大学院理学研究科生物科学専攻博士后期课程修了。北九州市立自然史?歴史博物馆学芸员を経て、2018年から现职。

原田桂太さん

原田桂太さん フィールド科学教育研究センター 技術職員(飼育係)

はらた??けいた?1984年、 岡山県に生まれる。京都大学大学院理学研究科修士課程生物科学専攻修了。2010年から現職。

手に持つのはカイカムリの脱皮殻。「研究していたこともあり、爱着があります。背中にカイメンやホヤを背负って隠れる性质があり、饲育下で水槽にスポンジを入れると、自分に合った形に切り取り、くぼみを作って背负うのが见ていると楽しいです」


白浜水族馆

展示の目玉は无脊椎动物!

他の水族馆では鱼类の「背景」になってしまうような、サンゴや贝类、ナマコ、ウニなどがここでは主役。常时250种、年间で500种に及ぶ无脊椎动物の展示は、日本有数の规模を夸る。始まりは、京都帝国大学理学部附属瀬戸临海研究所の水槽室。研究所への昭和天皇临幸1周年を记念して、1930年に一般公开を开始。2020年には开设90周年を迎えた。现在开馆している日本の水族馆の中で歴史の长さは3番目。

瀬戸临海実験所

伝统を守り、研究を続ける自然史学の拠点

紀伊半島南西部の白浜町に位置する瀬戸临海実験所。1922年の開所以来、伝統的に海産無脊椎動物の分類?系統学、とりわけ刺胞?有櫛?軟体?節足?毛顎?原索動物の分野が発展する中心的な役割を担ってきた。同時に分布や生活史などの生態学的な研究も展開。自然界に存在する天然物の種類や性質、分布などを研究し、記載していく「自然史(ナチュラル?ヒストリー)」の研究拠点として、存在感を放つ。

下村●生物学というと、かつては生态学や分类学などのマクロ生物学が中心でしたが、研究手法の进歩や分野の细分化でマクロ系の研究室は减っています。マクロ系の伝统を受け継ぐこの実験所は、日本の自然史学を牵引するリーダー的な役割も果たしています。

独自の生態系を育む 暖かな白浜

白浜水族馆で展示されるのは全て、白浜周辺で暮らす生き物。白浜町の北部に面する田辺湾には、フィリピン諸島付近を源とする黒潮の分枝流が流れ込む。暖かな黒潮の影響を受けて、田辺湾の付近の水温は年平均で約20度、冬期でも12度と温暖。さらに、白浜周辺の海の地形は複雑で、水底の質は岩盤や礫、砂場、泥など多様。白浜周辺の海には、こうした環境に適応した多種多様な温帯性の生物の他、黒潮に運ばれた亜熱帯性の生物が生息し、独自の生物相を形成している。

※マップ内の数字をクリックすると该当の内容に移动します。

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入り口の看板では、水槽に新たに加わった「新着动物」の名前を绍介。

原田●渔师さんの协力で、网にかかった珍しい生き物を譲っていただきます。10月から5月はイセエビ渔の解禁期ですから、この时期は展示の入れ替わりが多いです。饲育スタッフ3名で相谈して、希少种やおもしろい生态の生きものが手に入るたびに、展示を変えています。

第一水槽室 ?

入り口の扉を开くと、まず目に飞び込んでくるのは240トンの大水槽。大型の回游鱼やサメ类が「水族馆に来た」という気分を高めてくれる。目玉は全长1メートルのロウニンアジ。世界最大のアジの仲间だ。

第二水槽室 ?

最初に展示されるのは、「刺胞动物门花虫纲」、いわゆるサンゴの仲间たち。思わず、鱼を探したくなるが、水槽には触手がそよそよと揺れるサンゴのみ。一见、地味な展示だが、水槽一つひとつに技术职员と教员の详细な解説文が添えられる。解説を片手に生き物の姿や生态を観察していると、サンゴたちは纷れもなく、生きた动物であると実感できる。种名を示すラベルには、和名だけでなく、学名もきちんと记されている。

下村●命名者や命名年までが记されているのは、より正确に「どの种なのか」を示すため。和名だけでは违う生物に同じ名前が付けられていることもあり、正确さに欠けます。国际动物命名规约が定められて动物の学名を决める际の规范が示されました。「谁がいつ名付けたものか」で学名の示す种を明确にしたのです。

子どもたちの春?夏?冬休み期间中は、「研究者と饲育係のこだわり解説ツアー」を毎日実施。内容は日替わりで、研究者たちがそれぞれの専门分野の生きものを解説する。生态の基本情报から最先端の话までが闻けるのは、大学が运営する水族馆ならでは。

小さな生き物を集めたコーナーも。拡大レンズで体の仕组みの细部を観察できる

この水槽のメインはフジツボ。泳ぐ鱼は水槽内に発生するイソギンチャクを食べ、水槽を綺丽に保つための扫除要员。その他、ナマコやテヅルモヅル、ウニなどを展示


サンゴが展示された水槽

アカテヅルモヅル

タカアシガニ

アカヒトデ

キサンゴの一种

カノコイセエビ

イソバナ

コブセミエビ

トラフカラッパ。砂底に生息するカニの仲间

トラフナマコ

コブヒトデモドキ

第叁水槽室 ?

季节ごとに白浜近海に集まる生き物や珍しい生き物が展示される第叁水槽室。研究?実験の都合や季节に応じて展示が変わるので、访れるたびに発见がある。水槽の一つに目をやると、蛍光色のような黄色いイソギンチャクがみっちり。

オオカワリギンチャク

タカクラタツ

ムラサキオカヤドカリ

キリンミノ

原田●このオオカワリギンチャクにはぜひ注目してください。白浜近海と伊豆大岛の一部でしか见つかっていない种で、展示している水族馆は少ないですよ。

瀬戸临海実験所の教員の研究内容などを、パネルと標本で展示。写真は、下村准教授が研究を進めるオオグソクムシの標本。数年に1回ほど、漁師さんからの提供があったときにはオオグソクムシの生体を展示することも。ただし、環境変化に弱く、長期間飼育には成功できていないという

第四水槽室 ?

出口に近い第四水槽室は鱼类が中心。前半は藻场、岩礁、砂底など、生息环境ごとの展示が见もの。
原田さんのおすすめは、チゴガニやトビハゼなど、干潟の生物の展示。潮の満ち引きを再现する仕掛けは珍しく、他の水族馆からも视察に来るほど。

砂底の海に暮らす生物を展示

水深の深い场所の生物を展示

原田●水槽内で潮の満ち引きを再现しないと、干潟の生き物は长生きできません。ポイントは、上下に设置された2つの排水沟。夜间に水量を増やし、上の排水沟まで水位が上がれば満潮。昼间に水量を减らせば、水位が下がる仕组みです。

第四水槽室の后半は、分类群ごとに水槽が分けられている。それぞれの群の特徴や近縁种の违いが観察しやすい。

原田●白浜の冬の名物としても知られるクエは、この水族馆の长老です。15歳ほどだと考えられています。

白浜水族馆で生まれ育ったクエ

バックヤード ?

种に合わせて、适切な食べ物を用意。饵の时间は朝と夕方の2回。
春?夏休みには「エサやり体験」も実施

足音を闻きつけ、寄ってくるカサゴ

エビの脱皮殻やウニの殻は、バックヤードツアーなどで直接手に触れてもらえるよう保管

エビの脱皮殻やウニの殻は、バックヤードツアーなどで直接手に触れてもらえるよう保管

瀬戸临海実験所 研究棟

研究栋は改筑中。
同じく改装中の図书室には约4,000册を所蔵。
国内でここでしか见られない図书も多く、研究者たちからの复写依頼が絶えない。

なぜ、无脊椎生物が研究の主役?

生物は体の基本的なつくりの违いで、「门」というグループに分けられ、动物界にはおよそ30の门が存在する。ヒトを分类学の分类で表すと、「动物界脊索动物门哺乳网霊长目ヒト科ヒト属サピエンス种」。

下村●ヒトが含まれる脊椎动物は脊索动物门に含まれます。およそ30ある动物门の一つでしかありません。ヒトももとを辿れば无脊椎动物から进化してきました。动物全体の进化の流れを明らかにするには脊椎动物だけでは不充分。必然的に无脊椎动物の研究が必要なのです。

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海底洞窟から生物进化の手がかりを掴む

下村准教授が発见したテルモスバエナ目ダイトウコオイエビ。

下村准教授の専门は、甲殻类の仲间である等脚目。フナムシやワラジムシなどを含む等脚目の中でもオオグソクムシなどの海产种を対象とする。学部生时代は昆虫を研究していたが、研究者が多く、成果の积み重ねも厖大。コウチュウ目、チョウ目のような新たな「目」が见つかる可能性はゼロに近い。しかし、甲殻类は日本近海ですら「目」の全ては把握できていないという。「谁もしていない研究がしたい」とマイナーな海洋生物の研究に移行した。「陆上に比べて海中はアクセスが难しく、採集しづらいという难点もありますが、何より研究者が少ない。等脚目の分类学者は世界におよそ10数人。私が他に専门とするテルモスバエナ目になると、世界に2人です。世界のどこに生息するのか、分布の把握すら困难です」。
 下村准教授が乗り出したのは、海底洞窟や地底湖など、人间が足を踏み入れづらい场所の调査。「日本近辺の海底洞窟は充分に调査されておらず、新种はもちろん、〈目〉レベルでの発见もあるでしょう。〈いる?いない〉さえ不明な生物の调査に踏み出すのは勇気が必要ですが、少しずつ积み重ねてきた実绩に后押しされ、挑んでいます。生物の进化の过程を考えるうえでも、〈目〉の発见が与えるインパクトは軽视できません」。

7,500点以上の生物标本を保管する标本室。新种记载时のものに基づいた标本であるタイプ标本は、通し番号をつけて保管。国内の研究机関はもちろん、海外の研究机関とも频繁に标本をやりとりする

実験所では、2隻の小型船舶を所有。採集机器を引き上げるためのウィンチも装备されており、採集调査などで活跃する。年に1度、秋に実施される「京大ウィークス」では実习船ヤンチナに乗船できる

自然海岸の残る畠岛

瀬戸临海実験所が管理する田辺湾に浮かぶ無人島。人が手を入れる前の海岸が保護されている。岩礁や砂泥地などの多様な環境に恵まれ、島を一周するだけで田辺湾の生物相を一望できる。

开馆案内

开馆时间:午前9時 ? 午後5時(入館は午後4時半まで)
年中无休

入馆料:大人 600円、小人 200円(個人の場合)
未就学児は无料で入馆できます。

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