2025年春号
輝け! 京大スピリット
第六十八代京都大学応援団 団長
指川 啓さん(総合人間学部4回生)
「声が小さいぞ!」と観客席から飞ぶ「ご指导」の声。それに応えて、学ランに身を包んだ司会の学生はさらに声を张り上げる。京都大学応援団が主催する11月祭前夜祭。热気を帯びたステージで、袴姿の学生が颯爽と舞台に上がる。凛とした表情から心地よい紧张感が伝わり、力强い声とともに演舞が始まる。披露するのは団长?指川启さん。この日が団长として集大成の舞台だった。
2024年で第六十八代を数える京都大学応援団。リーダー部、ブラスバンド部、チアリーダー部で构成され、体育会系部活の试合や全国七大学総合体育大会に駆けつけて选手と観客を全力で盛り上げる。「応援団の魅力は交流の幅広さ。各部活との関係が深まるほど、选手の努力や胜利への思いが伝わってくるので、胜つ喜びや负ける悔しさを共有できる。二人叁脚とは言いませんが、応援している瞬间は一つになれる気がします」。
2024年4月には体育会と協力して红萠祭を5年ぶりに本部構内で開催。3日間で新入生2,500人以上が来場した。写真は成功を祝して京都大学第一応援歌「新生の息吹」を合唱した際の一枚
「応援団に入ればひと味违う4年间になる」と指川さんは断言する。「『これがよい応援』という明确な答えはなく、选手や観客の反応を见ながら模索するしかありません。『応援』という形のないものを磨くために4年间を捧げるんです。究めるのが好きな人はきっとハマります」。一方で、応援は选手の力になってこそ。どれだけ応援しても负けが続けば辛い。「そんなとき、他大学の応援団が観戦にきて応援を盛り上げてくれて励まされることも。他大学の応援団はライバルであると同时に悩みを分かち合える同志でもあるんです」。
コロナ祸が袭った2020年は応援の场を夺われ、入団者はゼロ。前夜祭を含む多くの活动が中止?缩小され、団の根干が大きく揺らいだ。2021年入学の指川さんは応援団を盛り上げたいと3回生で団长に立候补。伝统を守る重责を感じるなか、翱叠からの「京大応援団には自由の精神がある」という言叶の意味を考え続けた。「京大生の魅力である个性を応援にも活かしたい。『どんな応援であっても、盛り上がることが一番大事』と、一人ひとりの考えを尊重しています。ただし、あくまで『胜ったら选手の顽张り。负けたら応援が足りない』の精神。选手に『ありがとう。力になった』と言われるのがいちばん嬉しい」。
前夜祭のステージでは応援団が主役。试合を模した実况とともに披露されるマーチや圧巻の演舞で観客を魅了する
3回生で前夜祭を再开、4回生でも継続して団长を务め、数年间途絶えていた演目の〈拍手「胜つぞ京大」〉を復活させた。「ホップ、ステップとつないできたので、次はジャンプしてほしい」と、新たなバトンを次の世代に託す。応援に向き合い続けた指川さんは、その背中で后辈たちにエールを送る。
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