惭础齿滨-狈滨颁贰搁连携で捉えた悪魔のまばたき―アルゴルで発生した巨大恒星フレア食の観测に成功―

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 中山和哉 理学研究科修士課程学生、榎戸輝揚 同准教授、井上峻 同博士課程学生、岩切渉 千葉大学助教、三原建弘 理化学研究所専任研究員、Keith Gendreau 米国航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センター(Goddard Space Flight Center)研究員、Zaven Arzoumanian 同研究員、濱口健二 同研究員、野津湧太 米国コロラド大学ボルダー校(University of Colorado Boulder)研究員のグループは、国際宇宙ステーションに搭載された日本の全天X線監視装置MAXIおよびNASAのX線望遠鏡NICERの国際連携観測により、悪魔の星と呼ばれる食変光星アルゴルで発生した太陽フレアの10万倍に上る明るさのスーパーフレアをMAXIで捉え、フレアの食(奥にいる星からの光を手前にいる星が隠すこと)による減光をNICERで捉えることに成功し、その発生位置とサイズを特定することに成功しました。

 いつ起こるともわからない突発现象であるフレアの食は、これまでは偶然観测された例しかありませんでしたが、今回は事前に突発现象に対する観测体制を整えていた惭础齿滨と狈滨颁贰搁によって初めて狙い通りにフレア食を観测することに成功しました。恒星のスーパーフレア现象は、太阳とは违い恒星が非常に远くにあるため、その大きさや位置を决めるのが困难です。今回観测されたフレア食はその减光のタイミングからこれらの情报を推定でき、スーパーフレアの大きさは太阳の直径に匹敌するほど巨大なサイズであることがわかりました。この成果は未解明であるスーパーフレアの発生メカニズムに対して重要な示唆となります。

 本研究成果は、2025年12月18日に、国際学術誌「The Astrophysical Journal」に掲載されました。

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研究者のコメント
「スーパーフレアは兴味深い研究対象ですが、太阳では见られないため、その空间情报を得るのは困难な现象です。本研究で连星の特性を活かしてそのようなフレアの空间情报を得る方法を确立することができました。これは他の连星系にも适用できる一般性の高い手法です。今后は电波などを用いた多波长同时観测を行うことでさらにスーパーフレアの机构に迫っていきたいと考えています。」(中山和哉)

「惭础齿滨の広视野、狈滨颁贰搁の感度というお互いのもっていないものを补う、非常にユニークな连携観测に成功しました。自分で予测したタイミングで、バッチリ齿线の食が起きているデータが狈础厂础から送られてきたときにはとても感动しました。このような装置や国を超えた连携観测は、さらにニュートリノや重力波といった光ではない宇宙の情报を伝えてくれるメッセンジャーと合わせることにより、未开拓领域であるマルチメッセンジャー天文学を切り拓いていくことができますので、まだまだ精进していきたいです。」(岩切渉)

「国际宇宙ステーションに搭载されている2つの齿线天文装置、日本の惭础齿滨とアメリカの狈滨颁贰搁は、それぞれ広视野探査と精密観测という特徴を持ち、それらが连携すると强力な観测装置となります。本研究は、通信卫星による轨道上ー地上の常时接続、コンピュータによる自动処理、インターネットによる国境を越えた速报性を利用して、日米の研究者が协力して成し遂げた成果です。今回の『悪魔の星』は、古代アラビアから明るさが変わる不気味な星として知られ、アルゴル(悪魔)と名付けられた星。最新技术により、その素颜がまた1つ明らかになりました。」(叁原建弘)

研究者情报
研究者名
榎戸 輝揚
研究者名
Shun Inoue
书誌情报

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【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】


【书誌情报】
Kazuya Nakayama, Wataru Buz Iwakiri, Teruaki Enoto, Shun Inoue, Yuta Notsu, Keith Gendreau, Zaven Arzoumanian, Kenji Hamaguchi, Tatehiro Mihara (2025). Eclipsing Stellar Flare on the Demon Star Algol Binary System Observed during the MAXI-NICER Follow-up Campaign in 2018. The Astrophysical Journal, 995, 2, 152.